フラッシュメモリーで静かなPortable

その1

 Portableはその匡体の大きさからわかるように、内部スペースが非常にたっぷりしており、タイトな設計になっていない。私は以前から、モバイル機器はRAMなどのメモリーで動くべしとの信念があったので、記憶スペースをHDDに代えてフラッシュカードメモリーに置き換えることとした。そもそもこの改造を行うきっかけになったのは>PowerBook大改造計画(POWERBOOK ARMY著)の「カードリーダーの内蔵」を読んだことである。この項の中でPCカードリーダーは「AT互換機用でも使える」という記述により、このプロジェクトは始動したといって過言ではない。よって、これが成功した今、この本と筆者らに感謝する次第である(註)

(註)この項の文体が他のページより「カタイ」のは、ある雑誌の連載原稿向けに書いたからであったりする(爆)。

 使ったPCカードリーダーはメルコ社製MCR-SFBで、元々は98やAT互換機用であり、SCSI接続が可能な機種である(図1)。他にもいくつか候補があったが、在庫があったのがこれだけだったため、これを用いることとした。このPCカードリーダーはフラッシュメモリーカードとコンパクトフラッシュメモリーカード用の二つのスロットがあるが、モデムカードなどのインターフェースカードには対応していない。よって、フラッシュメモリーカードリーダーというのが正式な呼び名である。

図1フラッシュメモリーカードリーダー
 さて、このカードリーダーを内蔵する際の一番の問題点は、ボードが長くてそのままではHDDベイに収められないことである。元々、AT互換機の拡張スペースに収めるためにコンパクトにされておらず、また、カード挿入時もカードがはみ出すため、このすべてをPortableの中に収めなければならない。まず、ベゼルを取り去り、カードリーダー基盤と金属性マウントを分離した(図2)。

図2フラッシュメモリーカードリーダーの基盤
分離した基盤を実際にPortableのHDDベイの奥行きと比べると、ちょうどSCSIコネクタと電源コネクタの部分をなくせば、収められそうだということがわかった。そこで、SCSIコネクタと電源コネクタ(水色の矢印)を基盤上の半田付けの根本(赤い矢印)から直角に折曲げた(図3)。この時、コネクタと基盤とを結合する爪をニッパーで力ずくに取り除いた。

図3フラッシュメモリーカードリーダーの基盤
(コネクタを曲げた後)

次に、コネクタを直角に曲げたため、そのままでは基盤が浮いてしまうため、金属性マウントの加工を行った。と言っても、マウントのねじ穴の位置で直角に曲げただけである(あぁ、写真がない!)。

SCSIケーブルは>TSさんの方法を参考に自作したケーブルを用いた。ただ、そのままでは電源コネクタの長さが長いのでカッターで削りつつ、ケーブルを直角に曲げるための加工を行った(あぁ、これも写真がない!)。

その2につづく

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